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ウズベキスタン、天然ガス給気中の車
旅コラム

ウズベキスタンの車は「給油」しない?

ウズベキスタン 旅エッセイ 中央アジア

砂漠を450km、タクシーをチャーターして走っていたら、運転手がボンネットを開けてホースを挿し始めた。……給油? いや、これは「給ガス」だった。

ウズベキスタンで長距離タクシーに乗って、すごく不思議だったのです。

個人旅行でこの国を巡ったときのこと。
西部にある世界遺産「イチャン・カラ」から、中部の世界遺産「ブハラ」へ移動するにあたり、公共の交通機関があまり便利ではないので、タクシーをチャーターしました。

6時間で450km。砂漠をぶっ飛ばして、かかったお金は60ドル(当時のレートで7500円)。

もし運転手が帰りは空車で戻るとしたら、往復12時間、900km運転して7500円。
まったく割に合わないのでは?

しかもコロナ禍前の相場は、さらに安い50ドルでした。

もう一つ不思議だったのが、途中で2回スタンドに立ち寄ったこと。
そんなに補給が必要なのだろうか。あまり燃費がよくない車なのかな。

そう思って見ていると、運転手はボンネットを開けて、そこにホースを挿し始めました。

……ボンネットに、給油?

運転手はおしゃべりをせずに黙々と運転するタイプの人でしたし、英語もほぼ通じませんでした。そこでChatGPTで調べてみると——

ウズベキスタンの車は、燃料に天然ガスを使っていました。
だから「給油」ではなく「給ガス」。
タンクがボンネット側にある車が多いのです。

1回の満タンで走れる距離は短いけれど、ガソリンよりずっと安いそう。

なるほど、それなら運転手さんの採算も合うわけです。

METANと書かれた天然ガスステーション
砂漠の道沿いに「METAN」の看板。これがガスステーション。
車窓から見たウズベキスタンの砂漠
車窓からの風景。何百キロもこんな砂漠が続きました。

車はガソリンで動くもの——そう思い込んでいたけれど、それは日本の常識にすぎません。
エネルギー事情は国によってまったく違います。
産油国・産ガス国が多い中央アジアでは、天然ガスが身近な燃料として普及しています。

旅をしていると、こういう「当たり前」が崩れる瞬間があります。
ボンネットにホースを差し込む光景は、日本人にとっては不思議なもの。
でも、ウズベキスタンではごく普通の光景です。

旅をしていると、こういう小さな発見に出会います。
そんな瞬間があるから、旅はやっぱり面白いのです。

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